陽維脈

こんにちは、鍼灸やまと治療院です。
今回は奇経八脈のひとつ「陽維脈」について記載します。

陽維脈の概要

この経脈は「陽維脈よういみゃく」といい、、奇経八脈と呼ばれる経脈のひとつです。
中国語の簡体字では「阳维脉」、英語では”YANG LINK VESSEL”と書きます。
この経脈1本の経穴の数は16穴になります。この経脈は身体の左右にありますが2穴は中央にある督脈の経穴であるため全身の経穴の数は30穴となります。なお、この経脈のすべての経穴は別の経脈にある経穴であり、陽維脈の独自の経穴はありません。
陽維脈は陰維脈とセットで陰の経脈と陽の経脈の連絡を強化・調整するものです。

流注(るちゅう) ~経絡の流れの説明~

陽維脈の図
※ここでは『和漢三才図会わかんさんさいずえ』の図を利用しています。

陽維は諸陽の会に起こる.その脈,足の太陽の金門穴に発す.外果の下1寸5分に存り.外果の上,7寸に上り足の少陽,陽交穴に会す.陽維の郄と為す.膝の外廉を循り,髀厭ひえんを上り,少腹側にいたり,居髎穴にて足の少陽と会す.脅肋きょうろくを斜め上に循り,肘の上の臂臑穴にて手の陽明,手,足の太陽と会する.肩の前を過ぎ,臑会穴,天髎穴で手,足の少陽と会す.却って肩井穴で手,足の少陽,足の陽明と会す.肩の後に入り,手の太陽,陽蹻脈と臑兪に会す.上りて耳の後を循り,風池穴で手,足の少陽と会す.脳空穴,承霊穴,正営穴,目窓穴,頭臨泣穴を上り,額に下り,陽白穴で手,足の少陽,手,足の陽明の五脈と会す.頭を循って耳に入り,上って本神穴に止る.

引用:教科書執筆小委員会著『経絡経穴概論』医道の日本社,p.8

陽維脈の病

陽維の病たること、寒熱を苦しむ。

引用:『難経』二十九難

陽維脈の経穴一覧

名称よみがな備考
金門きんもん足太陽膀胱経
陽輔ようほ足少陽胆経
陽交ようこう郄穴、足少陽胆経
臂臑ひじゅ手陽明大腸経
天髎てんりょう手少陽三焦経
臑兪じゅゆ手太陽小腸経
風池ふうち足少陽胆経
瘂門あもん督脈
風府ふうふ督脈
脳空のうくう足少陽胆経
承霊しょうれい足少陽胆経
正営しょうえい足少陽胆経
目窓もくそう足少陽胆経
頭臨泣あたまりんきゅう足少陽胆経
陽白ようはく足少陽胆経
本神ほんじん足少陽胆経
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