合谷 ~現役鍼灸師によるツボの解説~

こんにちは、鍼灸やまと治療院です。
今回も手にあるツボシリーズとして「合谷」という経穴けいけつについて記述します。

経穴の説明

「合谷」は「ごうこく」と読み、手の陽明大腸経の4番目の経穴で、手の陽明大腸経の原穴げんけつになります。四総穴しそうけつの一つで、顔の疾患に効果が高いとされています。WHOのコードは”LI4″です。
合谷には虎口ここうという別名があります。
この経穴は、頭痛、肩こり、風邪、耳鳴り、鼻血、下歯痛、眼の疾患、面疔、扁桃腺炎などに使われます。免疫アップにも効果的な経穴です。
ご自宅ではお灸がおすすめですよ。

経穴の場所

合谷

上記の図の位置周辺の少しへこんだ所で、押してズーンと響く場所が合谷の位置になります。

なお、正式な部位は以下の通りとなります。

手背、第2中手骨中点の橈側。

引用:WHO西太平洋地域事務局著,第二次日本経穴委員会訳『WHO/WPRO標準経穴部位-日本語公式版-』医道の日本社,2009年,p.35

古典における記載例

また、古典では以下のように記されています。

十四経発揮

【原文】在手大指次指岐骨間陥中

【書き下し文】手の大指の次指の岐骨の間の陥中に在り。

引用:滑寿著『十四経発揮』1341年
鍼灸重宝記

合谷
二穴。手大指と食指との岐骨の間だ陥中推せば肘にこたえる処。灸三壮、針三分留ること六呼。
傷寒大に渇き、発熱悪寒づつう、背強り、汗なく寒熱、瘧り、はなぢ、目くらく、虫歯、耳聾、喉痺、面はれ、言うこと能わず、口噤み、中風、かざぼろせ、痂疥、偏正のづつう、腰背いたみ、小児乳鵝を治す。

引用:本郷正豊著『鍼灸重宝記』1718年
医心方

合谷 二穴
一名虎口
在手大指岐骨之間.
刺入三分、留六呼。灸三壮。
主:寒熱、瘧、狂易、鼻鼽衄、目痛、頭歯痛、喉痺、臂腕不用、面腫、口噤

引用:丹波康頼著『医心方』984年
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