後渓 ～現役鍼灸師によるツボの解説～

こんにちは、鍼灸やまと治療院です。
今回も手にあるツボシリーズとして「後渓」という経穴けいけつについて記述します。

経穴の説明

「後渓」は「こうけい」と読みます。この間までは「後谿」の漢字を使っていましたので、こちらの表記も多いと思います。
手の太陽小腸経の３番目の経穴で、手の太陽小腸経の五行穴の兪木穴ゆもくけつになります。
WHOのコードは”SI3″です。
この経穴は、鼻血、難聴、耳鳴り、角膜炎、扁桃腺炎、上肢の痛み、などに使われます。

経穴の場所

写真の様に小指の付け根の関節の近くで、手を軽く握った時に手のひらの横シワが終わる辺りです。

正式な部位の定義は以下の通りとなります。

手背、第5中手指節関節尺側の近位陥凹部、赤白肉際。

引用:WHO西太平洋地域事務局著,第二次日本経穴委員会訳『WHO/WPRO標準経穴部位－日本語公式版－』医道の日本社,2009年,p.89

古典における記載例

なお、古典では以下のように記されています。

【原文】在手小指外側本節後陥中

【書き下し文】手の小指外側、本節の後の陥中に在り。

引用:滑寿著『十四経発揮』1341年

後谿
二穴。前谷の後にあり。針一分留ること三呼、灸一壮、治証も前谷に同じ。

引用:本郷正豊著『鍼灸重宝記』1718年