『選鍼三要集』杉山和一著④ ~江戸時代の鍼灸の教科書~

虚実を論ずる第三

夫れ医の道は虚実に在り。鍼刺猶ほ虚実を分つべし。故に経に曰く、天に寒暑あり、人に虚実あり、五虚近たること勿(なか)れ。足下問ふ、何をか五虚と謂ふや。予が曰く、経に曰ふ、脈細に皮冷寒え気少く泄利前後飲食入らず。此れ所謂五虚なり。近たること勿れとは鍼を刺さざるなり。何をか五実と謂ふ。予が曰ふ、経に曰く脈盛んに皮熱し腹脹り前後通ぜず悶(瞀?ポウ)す。此れ所謂五実なり。遠くること勿れとは鍼は補ひ難く瀉し易きを以ての故なり。要穴を分ち補瀉を用い虚実を宗として其の治を求めば千変万患何ぞ兪ざるの理あらんや。

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