『選鍼三要集』杉山和一著⑨ ~江戸時代の鍼灸の教科書~

十四経穴並びに分寸

手の太陰肺経十一穴。中府、雲門、天府、侠白、尺沢、孔最、列缺、経渠、太淵、魚際、少商。
中府は雲門の下一寸。雲門は璇璣の旁ら六寸。天府は腋下三寸。侠白は肘上五寸。尺沢は肘中約文陥なる中。孔最は腕上七寸。列缺は腕後一寸五分、手を交みて食指の端の届く所、骨間の陥なる中。経渠は寸口陥なる中。太淵は掌後約文陥なる中。魚際は大指本節の後へ。少商は手の大指の端内側爪甲を去ること韮葉の如し。

手の陽明大腸経二十穴。商陽、二間、三間、合谷、陽谿、偏歴、温溜、下廉、上廉、三里、曲池、肘髎、五里、臂臑、肩髃、巨骨、天鼎、扶突、禾髎、迎香。
商陽は手の大指次指の端内側爪甲を去ること韮葉の如し。二間は大指次指本節の前内側。三間は次指本節の後へ内側。合谷は大指次指岐骨の間。陽谿は腕上陥なる中。偏歴は腕後三寸。温溜は腕後5寸の間。下廉は曲池の下四寸。上廉は三里の下一寸。三里は曲池の下二寸。曲池は肘を屈して約文の頭。肘髎は肘の大骨外廉陥なる中。五里は肘上三寸。臂臑は肘上七寸。肩髃は肩端陥なる中。巨骨は肩の上、骨の尖りの旁ら。天鼎は缺盆の上、扶突の下一寸。扶突は曲頬の下一寸。禾髎は水溝の旁ら五分。迎香は鼻孔の旁ら五分。

足の陽明胃経四十五穴。承泣、四白、巨髎、地倉、大迎、頬車、下関、頭維、人迎、水突、気舎、缺盆、気戸、庫房、屋翳、膺窓、乳中、乳根、不容、承満、梁門、関門、太乙、滑肉門、天枢、外陵、大巨、水道、帰来、気衝、髀関、伏兔、陰市、梁丘、犢鼻、足三里、上巨虚、條口、下巨虚、豊隆、解谿、衝陽、陥谷、内庭、厲兌。
承泣は目下七分。四白は目下一寸。巨髎は鼻孔の旁ら八分。地倉は口吻をさし夾むこと四分近し。大迎は曲頷の前一寸三分。頬車は耳の下八分陥なる中。下関は耳前の動脈。頭維は神庭の旁ら四寸半。人迎は結喉の旁らをさし夾むこと各々一寸五分。水突は人迎の下陥なる中。気舎は水突下の陥なる中。缺盆は気舎の後へ大骨陥なる中。気戸は璇璣の旁ら中行を開くこと各々四寸。庫房は気戸の下一寸六分。屋翳、膺窓、乳中、乳根、各々間去ること一寸六分、中行を開くこと四寸。不容は巨闕の旁ら二寸。承満、梁門、関門、太乙、滑肉門、各々間去ること一寸、中行を開くこと二寸。天枢は臍の旁ら二寸。外陵は天枢の下一寸、大巨は二寸。水道は大巨の下三寸。帰来は大巨の下五寸。気衝は帰来の下鼠谿の上一寸。髀関は膝の上一尺二寸。伏兔は膝の上六寸。陰市は膝の上三寸。梁丘は膝の上二寸、両筋の間。犢鼻は膝の間の中。三里は膝眼の下三寸。上巨虚は三里の下三寸。條口は三里の下五寸。下巨虚は三里の下六寸。豊隆は外髁の上八寸。解谿は外髁の前、衝陽の後ろへ一寸五分。衝陽は陥谷を去ること二寸。陥谷は内庭を去ること二寸。内庭は大指次指の外骨の間。厲兌は足の大指次指の端外側爪甲を去ること韮葉の如し。

足の太陰脾経二十一穴。隠白、大都、太白、公孫、商丘、三陰交、漏谷、地機、陰陵泉、血海、箕門、衝門、府舎、腹結、大横、腹哀、食竇、天谿、胸脇、周栄、大包。
隠白は足の大指の端内側爪甲を去ること韮葉の如し。大都は大指本節の前内側。太白は大指本節の後へ核骨の下陥中。公孫は大指本節の後ろへ一寸陥なる中。商丘は内髁の前、微しき下陥中。三陰交は内髁の上三寸。漏谷は内髁の上六寸。地機は膝下五寸。陰陵泉は膝下内廉陥なる中。血海は膝の上二寸。箕門は魚腹の上、越筋の間陰股の内動脈有り。衝門は大横の下五寸。府舎は腹結の下三寸。腹結は大横の下一寸三分。大横は腹哀の下三寸五分、臍と平(ひとし)。腹哀は日月の下一寸五分、共に中行を開くこと三寸半。食竇は天谿の下一寸六分。天谿、胸脇、周栄、各々間去ること一寸六分、中行を開くこと六寸。大包は腋下、淵腋の下三寸に終る。

手の少陰心経九穴。極泉、青霊、少海、霊道、通里、陰郄、神門、少府、少衝。
極泉は腋下筋間の動脈胸中に入る。青霊は肘上三寸。少海は肘の内廉大骨の下五分。霊道は腕後一寸五分。通里は腕後一寸。陰郄は掌後脈中腕を去ること五分。神門は掌後鋭骨の端。少府は手を握りて約文の頭。少衝は手の小指の端内側爪甲を去ること韮葉の如し。

手の太陽小腸経十九穴。少沢、前谷、後谿、腕骨、陽谷、養老、支正、小海、肩貞、臑兪、天宗、秉風、曲垣、肩外、肩中、天窓、天容、肩髎、聴宮。
少沢は手の小指の端外側爪甲を去ること韮葉の如し。前谷は小指外側本節の前。後谿は外側本節の後へ。腕骨は小指の後へ岐骨の留り。陽谷は掌後、鋭骨の下、腕上一寸に求む。養老の穴。支正は腕後ろ五寸に有り。小海は肘の外側の大骨の外廉、肘端を去ること五分。肩貞は肩曲胛の下。臑兪は肩髎の後へ大骨の下陥なる中。天宗は秉風の後へ大骨の下陥なる中。秉風は肩の上臂を挙げれば空(あな)有り。曲垣は肩の中央陥なる中。肩外は大杼と平(ひとし)、脊骨を去ること三寸。肩中の兪は大椎の旁ら二寸。天窓は缺盆の上、扶突の後へ、動脈陥なる中。天容は耳下曲頬の後へ。肩髎は面鳩骨の下廉陥なる中。聴宮は耳前赤小豆の如し。

足の太陽膀胱経六十三穴。睛明、攅竹、曲差、五処、承光、通天、絡却、玉枕、天柱、大杼、風門、肺兪、厥陰、心兪、膈兪、肝兪、胆兪、脾兪、胃兪、三焦、腎兪、大腸、小腸、膀胱の兪、中膂内兪、白環兪、上髎、次髎、中髎、下髎、会陽、附分、魄戸、膏肓、神堂、譩譆、膈関、魂門、陽綱、意舎、胃倉、肓門、志室、胞肓、秩辺、承扶、殷門、浮郄、委陽、委中、合陽、承筋、承山、飛陽、跗陽、崑崙、僕参、申脈、金門、京骨、束骨、通谷、至陰。
睛明は目の内眥外へ一分。攅竹は眉頭の陥なる中。曲差は神庭の旁ら一寸五分。五処は曲差の後へ五分。承光は五処の後へ一寸五分。通天は承光の後へ一寸五分。絡却は通天の後へ一寸五分。玉枕は絡却の後へ一寸五分。天柱は頚の大筋外廉髮際陥なる中。大杼は第一椎の下中行を開くこと各々一寸五分。風門は第二椎の下、肺兪は第三椎の下、、厥陰の兪は第四椎の下、心兪は五、膈兪は七、肝兪は九、胆兪は十、脾兪は十一、胃兪は十二、三焦の兪は十三、十四は腎兪、十六は大腸、十八は小腸、十九は膀胱、二十は中膂内兪、第二十一の椎の下に白環有り。上髎は第十七椎の下、次髎、中髎、下髎、各々脊をさし夾む。会陽の二穴は座して之を収る口伝。又上第二椎の下に附分有り、中行を開くこと各々三寸。第三魄戸、四は膏肓、神堂は五、譩譆は六、膈関は七、魂門は九、陽綱は十、意舎は十一、胃倉は十二、肓門は十三、十四は志室、十九は胞肓、二十は秩辺。承扶は尻の下約文中央陥なる中。殷門は承扶の下六寸。浮郄は一寸外の方の上。委陽は却って殷門と並ぶ。委中は膝下約文陥なる中、動脈有り。此の下三寸合陽の穴。承筋は合陽と承山との中央。承山は腨分跟(きびす)の上七寸、承筋の通り。飛陽は外踝の上七寸、承山と並ぶ。跗陽は外踝の上三寸。崑崙は外踝の後へ陥中。僕参は跟骨下陥中。申脈は外踝の下五分。金門は外踝の下一寸。京骨は外踝の前大骨の下陥なる中。束骨は小指外側本節の後へ。通谷は外側本節の前。至陰は足の小指の端外側爪甲を去ること韮葉の如し。

足の少陰腎経二十七穴。湧泉、然谷、太谿、大鍾、照海、水泉、復溜、交信、築賓、陰谷、横骨、大赫、気穴、四満、中注、肓兪、商曲、石関、陰都、通谷、幽門、歩廊、神封、霊墟、神蔵、或中、兪府。
湧泉は足心陥なる中。然谷は内踝の前大骨の下陥なる中。太谿は内踝の後へ動脈有り。大鍾は足の跟の前外、両筋の間、太谿の下五分。照海は内踝の下一寸。水泉は太谿の下一寸。復溜は内踝の後へ上二寸。交信は内踝の上二寸。右の二穴は前後有り筋を隔つ。太陰の後へ少陰の前へ。築賓は内踝の上五寸。陰谷は膝下約文陥なる中。横骨は肓兪の下五寸、曲骨旁ら五分。大赫、気穴、四満、中注、各々間去ること一寸、中行を開くこと五分。肓兪は臍の旁ら五分。商曲は肓兪の上二寸。石関、陰都、通谷、幽門、各々間去ること一寸、中行を開くこと五分。歩廊は神封の下一寸六分。神封、霊墟、神蔵、或中、各々間去ること一寸六分、中行を開くこと二寸。兪府は璇璣の旁ら二寸に当る。

手の厥陰心包経九穴。天池、天泉、曲沢、郄門、間使、内関、大陵、労宮、中衝。
天池は乳後一寸。天泉は腋下二寸。曲沢あ肘の横文陥なる中。郄門は腕後五寸。間使は腕後三寸。内関は腕後二寸、両筋の間。大陵は掌後両筋の間。労宮は中指無名指を屈して頭の当る所。中衝は手の中指の端内側爪甲を去ること韮葉の如し。

手の少陽三焦経二十三穴。関衝、液門、中渚、陽池、外関、支溝、会宗、三陽絡、四瀆、天井、清冷淵、消濼、臑会、肩髎、天髎、天牖、翳風、瘈脈、顱息、角孫、耳門、和髎、絲竹空。
関衝は手の無名指の端外側爪甲を去ること韮葉の如し。液門は小指次指本節の前。中渚は液門の後へ一寸。陽池は腕上陥なる中。外関は腕後二寸。支溝は腕後三寸、両骨の間。会宗は腕後三寸外の旁ら。三陽絡は腕後四寸内の方。四瀆は肘の前五寸。天井は肘の後の上一寸。清冷淵は肘上二寸。消濼は腋に対す臂外。臑会は肩頭を去ること三寸。肩髎は肩の巨骨の後ろ陥なる中。天髎は肩井の後へ一寸。天牖は缺盆の上天容の後へ、天容と筋を隔つ、天柱の前。翳風は耳後尖角陥中。瘈脈は耳後鶏足に逢ふ。顱息は耳後の青絡脈に有り。角孫は耳上の中央、穴有り。耳門は耳珠耳缺に当る。和髎は耳前兌髪横動脈。絲竹空は眉の後へ陥なる中に終る。

足の少陽胆経四十三穴。瞳子髎、聴会、客主人、頷厭、懸顱、懸釐、曲鬢、率谷、天衝、浮白、竅陰、完骨、本神、陽白、臨泣、目窓、正営、承霊、脳空、風池、肩井、淵腋、輒筋、日月、京門、帯脈、五枢、維道、居髎、環跳、中瀆、陽関、陽陵泉、陽交、外丘、光明、陽輔、懸鐘、丘墟、足臨泣、地五会、俠谿、竅陰。
瞳子髎は目の外眥を去ること五分。聴会は耳前の動脈陥なる中。客主人は耳前起骨の上、口を開けば空有り。頷厭は脳空の上廉曲角の下。懸顱は頷厭の下曲角の端。懸釐は耳上髮際陥なる中。曲鬢は耳上髮際の角。率谷は耳上髮際髪に入ること一寸五分陥なる者宛々たる中に有り。天衝は耳後髮際に入ること二寸。浮白は耳後髮際に入ること一寸。竅陰は完骨の上枕骨の下動揺すれば空あり。完骨は耳後髮際に入ること四分。本神は曲差の旁ら一寸五分。陽白は眉上一寸。臨泣は目の上直に髮際に入ること五分。目窓は臨泣の後へ一寸。正営は目窓の後一寸。承霊は正営の後へ一寸五分。脳空は承霊の後へ一寸五分。風池は耳後顳顬の後へ髮際陥なる中。肩井は肩上陥なる中、大骨の前一寸。淵腋は腋下三寸。輒筋は淵腋の前一寸。日月は期門の下五分。京門は章門の後へ監骨の端。帯脈は章門の下一寸八分。五枢は帯脈の下三寸。維道は章門の下五寸三分。居髎は章門の下八寸三分。環跳は髀枢の中、横に臥し下足を伸べ上足を屈して之を取る。中瀆は膝上五寸、分肉の間陥なる中。陽関は陽陵泉の上三寸。陽陵泉は膝下一寸外廉。陽交は外踝の上七寸。外丘は外踝の上七寸前に如(ゆく)こと三分。光明は外踝の上五寸。陽輔は外踝の上四寸。懸鐘は外踝の上三寸。丘墟は外踝の下前に如(ゆく)臨泣を去ること三寸。臨泣は小指次指本節の後への間俠谿を去ること一寸五分。地五会は俠谿を去ること一寸。俠谿は小指次指岐骨の間。竅陰は足の無名指の端外側爪甲を去ること韮葉の如し。

足の厥陰肝経十四穴。大敦、行間、太衝、中封、蠡溝、中都、膝関、曲泉、陰包、五里、陰廉、急脈、章門、期門。
大敦は足の大指の端外側爪甲を去ること韮葉の如し。行間は大指次指岐骨の間。太衝は大指本節の後ろへ二寸。中封は内踝の前一寸。蠡溝は内踝の上五寸。中都は内踝の上七寸。膝関は犢鼻の下二寸。曲泉は膝内輔骨の後へ大筋の上、小筋の下。陰包は膝の上四寸、股の内廉両筋の間。五里は気衝の下三寸、陰股の中動脈有り。陰廉は羊矢の下気衝を去ること二寸、裏に斜めなること三分。急脈は陰茎の両旁相去ること二寸半。章門は下関の旁ら九寸、臂の尽くる所。期門は不容の旁ら一寸五分。

任脈経二十四穴。会陰、曲骨、中極、関元、石門、気海、陰交、神闕、水分、下脘、建里、中脘、上脘、巨闕、鳩尾、中庭、膻中、玉堂、紫宮、華蓋、璇璣、天突、廉泉、承漿。
会陰は両陰の間。曲骨は臍下五寸。中極、関元、石門、各々一寸。気海は臍下一寸五分。陰交は臍下一寸。神闕は臍中なり。水分は臍上一寸、下脘の下一寸。下脘、建里、中脘、上脘、各々一寸。巨闕は上脘の上一寸五分。鳩尾は蔽骨の下五分。中庭は膻中の下一寸六分。膻中は玉堂の下一寸六分、直ちに両乳の間陥なる中。玉堂、紫宮、華蓋、各々間去ること一寸六分。華蓋は璇璣の璇璣の下一寸。璇璣は天突の下一寸。天突は結喉下三寸。廉泉は結喉の上頷下陥なる中。承漿は下唇の下陥なる中に終る。

督脈経二十八穴。長強、腰兪、陽関、命門、懸枢、脊中、中枢、筋縮、至陽、霊台、神道、身柱、陶道、大椎、瘂門、風府、脳戸、強間、後頂、百会、前頂、顖会、上星、神庭、素髎、水溝、兌端、齦交。
長強は髀骨の下陥なる中。腰兪は第二十一の椎の下。陽関は十六の椎の下。命門は十四の椎の下。懸枢は十三の椎の下。脊中は十一の椎の下。中枢は十、筋縮は九、至陽は七、霊台は六、神道は五、身柱は三、陶道は第一の椎の下。大椎は第一の椎の上。瘂門は髮際に入ること五分。風府は髮際に入ること一寸。脳戸は強間の後へ一寸五分。強間は後頂の後へ一寸五分。後頂は百会の後へ一寸五分。百会は前頂の後へ一寸五分。前頂は顖会の後へ一寸五分。顖会は上星の後へ一寸。上星は前髪に入ること一寸。神庭は髮際に入ること五分。素髎は鼻端頭に准ず。水溝は鼻の下陥なる中。兌端は上唇の端。齦交は唇の内、上歯の縫いめの中に終る。

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